ニューリーダーに聞く(1)

2016.10.10

株式会社JCU 会長 小澤惠二 氏

弊誌では混迷を極める世界情勢において、めっき業界の方向性を探るために業界関連のニューリーダー達に話を伺う事にした。初回のニューリーダーとして今年の2月に株式会社JCUの新会長に就任した小澤惠二氏にこれからの方針や同社の目標についてお話を伺った。

株式会社JCU 小澤惠二 会長

*本日はお忙しいところ、弊誌のインタビューにお答え頂き有難うございます。
 めっき業界を支えるお一人としての御意見やお言葉を、これからのめっき業界の方向性を探る上での参考とさせていただきたいと思いますので宜しくお願い致します。

――御社の方針について前会長との違いは?

 2月に会長に就任してから7か月目になりますが、私も粕谷前会長の下で働いておりましたので前会長の時の方針と大きな違いは無いと思います。
 振り返ってみますと、1968年に当社が設立してから再来年で50周年の節目を迎えます。設立時はアメリカのユージライト社の技術を導入していまして、前会長は当社には1998年に荏原製作所から来たと記憶しています。
 彼は荏原製作所の役員を歴任していましたが、それまでは荏原製作所の役員が来る事は珍しい事でした。
 その後、2003年にMBOによって独立し、アメリカのエンソン社(旧:ユージライト社)との縁が切れるまでは技術の導入で済んでいたのですが、独立後は技術の自社開発をしなければならなくなり、当社としての一つの節目になっていると思いますので、その時期を第一期と言えると思います。
 その後、東証に上場して、海外への展開を重ねて業績を伸ばす事が出来た時期を過ごし、会長が亡くなった事でこの時期を当社の第ニ期と言えるのではないかと思います。
 今年の2月に突然な不幸のため、私がバトンを受け継いだのですが、この時からが第三期のスタートと位置づけをしても良いのではないかと思います。
 我々を取り巻く状況も、この第三期に入ってから国際政治や経済、安全保障などが不透明で難しい状況になっていると思います。そういう背景を踏まえて、経営をして行かなければならないなと思います。私もこれからは難しい舵取りをして行かなければならないと肝に命じている所です。
 ですので、方針を変えて行くという事よりも、環境が大きく変化している中で、方向観もそれに合わせて移行して行かなければならないという事での前会長との方向性の差異が発生するかもしれないと思います。
 現在は前会長がかねがね言っていた200億円超の売上を今期の目標としており、一つのステップとして、企業としての認知度も高める事が出来ています。
 しかし、この先の不透明な世界情勢の中で、どのように企業の安定成長をさせるかという方策が必要だと思いますが、私自身は根幹にあるコアコンピタンスをより強くしなければならないと社内には言っております。
 売上をどんどん伸ばしていく事は、めっき業界そのものが大きく成長しているわけではないので難しいと思いますが、利益を上げて行く事はやりようがあると思います。
 しかし、それだけでは売上の成長にならないので、成長するためには新しい柱を立てて行かなければならないとも社内に言っており、既に行っている事もありますが、色々と興味を持って情報収集のアンテナを立てています。
 新しい事にも、チャレンジをして行くというスタンスで、進めて行こうと思っています。

――経営の多角化については?

 当社も既に行っていますが、5年経った事業などで色々と戦略の見直しを行わなければならないと考えています。当社では化粧品や太陽光パネル、ドライ技術のプラズマ装置の販売を行っており、それに加え水の販売等も始めました。
 プラズマ装置に関してはスマホメーカーのドライ処理のシェアが高くなり、引き合いを多く頂いています。このように育って来ている分野は伸ばして行きますが、医薬品事業を視野に入れて行ってきた事業で、販売がなかなか難しい化粧品事業は、縮小して行く事を考えています。
 また、太陽光パネルに関しては、現在、再生可能エネルギーに対しての関心が原発事故後よりトーンダウンしており、売電価格が低下している中で、どうやって利益を生んでいくか、戦略を考え直して行かなければならないと思っています。
 その他、異業種への参入として、ファンドへの出資を一部行っています。技術のベンチャー、新しい先端技術を起こして行えるようなベンチャー企業が出て来ていますが、これを支援するファンドが今までは見当たらなかったので、そこに多額ではありませんが出資をしています。
 そういう技術の中から、我々と一緒に事業展開して行けるような、そんな技術が出てくる事に期待をして投資を始めました。そういった日本の先端技術を持った企業が育ってくれる事が当社や日本の将来ためになると思って出資しています。

【この項続く】