ニューリーダーに聞く(1)

2016.11.10

株式会社JCU 会長 小澤惠二 氏

株式会社JCU 小澤惠二 会長

【前号より続く】

――研究開発や排水基準問題等の環境問題については?

 研究開発については、現在でも産学連携を行っていますが、大学で行っている基礎技術をどのように工業化して行くかがなかなか難しいものがあります。その基礎技術をモノづくりが出来るように応用をしなければならず、まだ大ヒットした製品が出来ていないのが現状です。
 亜鉛の排水暫定基準については、非常に厳しい基準なので業界の方々は大変だと思いますが、当社では亜鉛などの排水基準を阻害する物質を除いた製品の研究を進めています。
 ホウ素・フッ素に関しても基準に抵触しないプロセスが開発されてきていますし、クロム等についても既に対策されたプロセスがあります。
 また、海外の当社工場ではめっき薬品を製造していますが、有機薬品を使用しているので、無機薬品と違い重金属の問題などは無く操業しています。
 中国ではリンの規制が厳しく、極力リンを使用しない製品を造る事を心がけています。

――これからの業界に関しての方向性と御社の進め方は?

 業界の経済面に関しては色々な見方があるのでしょうが、めっき専業者はどんどん廃業していて、私がこの業界に入った頃の半分以下になっており、それに伴って国内での仕事量も少なくなって来ていると思います。
 このようになったのは1985年のプラザ合意の後に円高となり、日本のメーカーが海外に工場を移したためと認識していますが、それでもその頃は海外で生産した物を国内に持って帰って来ていましたが、最近はメーカーが持って帰って来ないため、めっき業がどうなるのかと心配をしています。
 めっきと言うのは要素技術として絶対に無くならない技術だと思っております。その要素技術というめっき技術を自分たちの物として進んでいる所は成長していますが、価格競争に走って行っている所は疲弊して行く事になると思います。
 海外のめっき業者は、日本のめっき技術には、まだまだ追いついておらず、日本のめっき専業者は海外に工場進出する事で、仕事量を増やす事が出来ると思います。
 また、最近では、素材を活かすために行う要素技術のめっき方法が、ウェットだけではなく、ドライ技術などでも行われており、めっき専業者は、ウェット・ドライ共に出来るような工場になっていた方が良いと思いますので、ウェット技術だけでなく、ドライ技術やプラズマ装置等についても御相談頂ければと思います。
 これからのめっき専業者で後継者問題等により、廃業を考えている会社や海外進出をする時には、現地の法人と合弁で行うとか協働すると言った事を考え、大きな会社にする事が必要な時期になって来ていると思
います。
 当社も、すべての部署で効率よく生産性をどう高めていくかという足元を見つめ直し、改善して行く事を方針として決めています。生産性という言葉は日本の政治の中でも言われていますが、概念的ではなく一人一人が具体的に行い、現在の不透明な時代において企業として力強く一歩一歩前に行くための根本になるという思いで、やって行こうと思っています。

お忙しいところわざわざお時間を割いて頂き、弊紙のインタビューにお答え頂き有難うございました。