フッ酸非含有、高い溶解能力、安定したエッチング性能

　佐々木化学薬品(株)は、物理的な加工方法に比べ、表面のエッチングやバリ取りの時間を短縮でき、繊細な加工が難しい高耐食合金に対応した「エスクリーンRE‐100」を5月より販売開始した。
　航空・宇宙分野の部品に使われるインコネルやハステロイなどの高耐食合金は、耐食性や耐熱性にすぐれる反面、繊細な加工が難しい難切削素材。さらに耐薬品性を持つため、化学薬品を使用した表面処理も難しい材質で、物理的な加工方法では欠陥につながる加工変質層が発生しやすいなど、製造業者泣かせの素材として知られている。
　同社では、これまでの試作テストサービスを通して蓄積してきた薬品処理の知見を生かし、高耐食合金のエッチングを必要とするユーザーの課題を解決するため「エスクリーンRE‐100」を開発した。
　同製品は、高耐食合金のエッチングに多用されるフッ化水素酸（フッ酸）を含んでいないため、排水処理の負担を軽減することが可能。同社の調査によれば毒性の強いフッ酸を含まない薬剤は、当該分野で唯一のものとの事。
　同社では、今後も加工しづらい金属用の薬品開発を進め、対応できる金属種を増やすことに挑戦し続ける。

【高耐食合金用エッチング液エスクリーンRE-100】
主な特長
◇インコネル、ハステロイなどの耐食性の強いNi基合金を溶解
◇毒性の強いフッ酸非含有で排水処理の負担を軽減
◇安定したエッチング量を持続できるため、加工性にすぐれる

https://www.sasaki-c.co.jp/business/metal-surface/kenma/re-100.html?20200423
※インコネル（Inconel®）は Special Metals Corporation の登録商標
※ハステロイ（HASTELLOY®）は Haynes International, Inc. の登録商標